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だるろぐ

とてもだるだるした日記です http://about.daruyanagi.jp/

『世界の片隅に』を観なかった。

食べ物

とある週末。友人と映画『世界の片隅に』を見る約束をして、はるばる千葉・市川から川崎へ出かけた。

しかし、割と人気なタイトルのようで、席が劇場の隅っこしか空いていない。個人的には「『世界の片隅に』を“劇場の片隅に”観るのもオツだな(プープークスクス」と思っていたのだけど、連れの友人はあまり気が進まなかったようだ。逡巡ののちようやく見る決心がついたものの、そのときにはナケナシの“片隅席”もとられてしまい、結局映画を見逃してしまった。

そんなわけで、ペルー料理を食べることにした。

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以前は『インティライミ』というお店をひいきにしていたのだけど、残念ながら店を移してしまったらしい(お店的には栄転なのかな? おめでとう!)ので、今回は新しいところを開拓。結果的にはいい感じだった。

まずは、いつものジャガイモと謎のホワイトなソース。このソース、どうやって作ってるんかなぁ……ニンニクとか入っていそう。割と癖になる味だと思う。

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次はタコのサラダ。タコを食べるひとは少ないらしいけど(ギリシャとか?)、ペルーの人はタコ食べるんだな?

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何のお肉か忘れたけど、おいしいお肉。素材を生かした軽い味付け。

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お店がクリスマスな雰囲気だったので、チキンもたのんだった。このお店の一押しなのかな?

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豆料理も食べたかったので、こっちもチョイス。ペルーの人は豆いっぱい食べるイメージ。

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個人的に興味があったので白身魚のフライも頼んでみたけど、思ってたより大きかった。ちょっと後悔した。

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二人では食べきれなかったのだけど、なんとかどの皿も7割以上たいらげた。死ぬかと思った。今度来るときはあと何人か援軍がほしいな~

UWP版「プロ生ちゃん時報」アプリ、マジ天使!

プロ生ちゃん時報 勉強会

この記事は プロ生ちゃん Advent Calendar 2016 - Adventar の14日目の記事です。前日の記事は @saya3633 さんでした。なお、翌日の担当は @kirin_nico さんです。

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マジ天使なプロ生ちゃんが時報のメッセージを喋ってくれる神アプリが、「プロ生ちゃん時報」アプリです。

プロ生ちゃんをご存知でない方に少し説明すると、プロ生ちゃんは ニコニコ生放送 でプログラミングをお勉強しているコミュニティ「プログラミング生放送勉強会」のマスコットキャラクター(CV:上坂すみれさん)です。(常識的な範囲で)無償で利用できる素材が充実しているので、キャラクター系のアプリを作りたい場合はもってこいです。マジかわいい、マジ天使ですしね。

本作品も「マスコットアプリ文化祭」に応募するために作りました。

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UWP アプリなので、Windows 10Windows 10 Mobile の両方で動作します。確認はしていませんが、Xbox OneWindows Holographic でも動作するらしいです(アプリの提出時は PC と モバイル のみの対応と書いておいたのですが、Microsoft が勝手に対応プラットフォームを書き足してくれました)。

このアプリの開発については、プロ生熊本でちょっとお話ししました。

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とても単純なアプリなのですけど、ちゃんとストアに出せるクオリティに仕上げるのはわりと面倒臭い。趣味のプログラミングではその辺りをついつい手抜きしちゃって(プロなら逃げられませんけど!)ブレイクスルーできないということが多いと思います。なので、勉強会で耳学問した後は、ちゃんと手を動かしてなんらかの作品を「完成」させることが大事なんじゃないかなって思いました。サンプルをたくさん作るのも大事かもですけどね。

あと、これは作っているうちに思ったのですが、こうしたバックグラウンドタスク+インターフェイスという形のアプリでは、バックグラウンドタスクをメインに考えて、バックグラウンドタスクのパフォーマンスを落とさない限りでなるべく処理をバックグラウンドタスクに寄せた方がシンプルな設計になるなーって思いました。M-VM-M でいえば、M をバックグラウンドタスクを考える感じでしょうか(インターフェイスプログラムにも薄い M は必要ですが)。まぁ、MVVM なんてよくわかってないですけどね。

来年はトーストに表示されるメッセージをプロ生ちゃんのセリフに合わせたり、細かい不具合を直していきたいと思います。あと、プロ生ちゃん関係のアプリになるかどうかはわかりませんが、もっと本格的なのを作りたいなーと思っています(既存の Windows 8.x アプリの改修もしたいなぁ)。もし勉強会で会うことがあれば、いろいろ教えていただければ幸いです。

そんじゃーね!

柳 英俊(だるやなぎ)は、この服を買った

だるやなぎ

この記事は だるやなぎ @daruyanagi Advent Calendar 2016 - Adventar の11日目の記事です。前日の記事はありませんでした(執筆時現在)。なお、翌日の担当は未定です。あと、この記事は 柳 英俊(だるやなぎ)は、この服を買え のアンサー記事でもあります。

https://i0.wp.com/jz5.jp/wp-content/uploads/2016/12/IMG_0669.png?resize=576%2C1024

服や自撮りの写真を送ると、無料でコーディネートしてくれるスマホアプリ「ベストスタイルミー」で 柳 英俊(だるやなぎ)が買うべき服を調べるとこんな服をお勧めされるらしいですが、正直なところ、大枚叩いてこんなのを着たくはないです。では、代わりにどんな服を着るべきなのでしょうか。

※ 柳 英俊(だるやなぎ)は CC0(Creative Commons Zero) で使えるフリー素材です。

まずは だるやなぎ を分析する

まず、だるやなぎの今の服の課題を分析してみましょう。

服に金をかけたくない

5万円のガジェットは1時間のお悩み時間でポチってしまうのに、5万円の服は「ありえない」と即却下してしまう。でもね、最近たまに「もっと若いと思ってました」と初対面のひとに言われるじゃん? あれ、褒めてないからね。「年の割に安い服きてるな」っていう意味だからね!

「黒服の腐海」の重力に引かれる魂

ファッションが苦手だと、周りに合わせた方が安心ですよね。でも、それだと「黒服の腐海」や「チェック柄のフォーカード」になってしまうわけですよ。つまり、冒険心が足りない。

そこからは脱したくてちょっと派手めな色も試すのだけど、いまいち突き抜けていないし、そもそも自分に合ってる気がしない。「黒服の腐海」の重力に引かれる魂が、ニュータイプへの覚醒を拒んで悲鳴をあげている。

次元<サイズ>のはざまを漂っている

最近太ってきて、今まで着てた M サイズの服が入らなくなってきましたね。かといって L サイズはじゃっかんダボっとしていて、なんかシュッとしません。「デブだから L サイズにしよう」「いや、がんばって痩せるから L サイズはちょっと」などと悩んで結局今年も新しい冬服を買わないみたいなの、やめた方がいいと思います。

答え:作務衣

というわけで(?)、最近は作務衣にしています。

  • 服に金をかけたくない:割といいのを買っても上下2万円ぐらい
  • 「黒服の腐海」の重力に引かれる魂:基本的に紺色とかだけど、個性的ではある
  • 次元<サイズ>のはざまを漂っている:和風な装いには「デブ」を「恰幅」と言い換える魔法がかかっている。あと、多少の横幅の変動には対応できる

もともと部屋でお仕事をするときのユニフォーム的な感覚で買ったのですが、予想以上に気に入ったので、作務衣のコートも買って外に行くにも着ています。お店はここがお気に入りですが、まぁ、最初は最悪部屋着・寝巻きに転用することを考えて AMAZON で安く済ませてもいいんじゃないかなって思います。

wasuian.com

冬はちょっと寒いんじゃって思ったけど、冬用のものは割と暖かいですね。ヒートテック系と組み合わせれば無敵なんじゃないかと思います。

周りの評判も上々です。

  • (とりあえず何かコメントしなきゃいけない雰囲気で)「似合ってますね」「めずらしいですね」
  • (行きつけの居酒屋にて)「詩人?」「陶芸マン」「書家やろ」「悟りでも開いたのか」
  • (ワインバーにて、お店の人が)「近所の飲食店の方が休憩にいらっしゃったのかなと」
  • (弟二号)「変わったかっこうしてんな。(昔から頭変やし?)似合ってるわ」

東京は比較的変な格好お人が多いので、まぁ、別になんともない感じですね。住んでいる愛媛・松山(今は実家帰省で東京にいるけど)は明治・大正な雰囲気の方が観光にいいと思うので、むしろ「お前らが和装しろ」って思ってます(別に作務衣が明治大正って感じでもないけどね。わいも慣れたら和服も着たいなぁ)。

ただ、冬場の足元だけは悩みましたね。草履を履いてたらオカンに「恥ずかしいから実家の敷居またぐな」とゴミ箱に入れられそうになります(あと、「おまえ、ベルトしない服だと際限なく丸くなるぞ」ってディスられました)。

作務衣向けのシューズというのも一応あるんですが、自分ちの近所だと靴下+ちょっといいスポーツサンダル(いうほど寒くない)ぐらいでいいかなって感じ。ちゃんと靴を履きたい場合は、今んところこういう感じのを履いてます(ちょっとちがいますが)。

そんじゃーね。

Mac のスクリーンセーバーがダサいので、カッコよくしてみました。

だるやなぎ MacBook

この記事は だるやなぎ @daruyanagi Advent Calendar 2016 - Adventar の9日目の記事です。前日の記事は 柳 英俊(だるやなぎ)は、この服を買え でした。正直、あんな服に金を出すのは嫌です。なお、翌日の担当は未定です。

今年、Macbook を購入しました。macOS はジョブズの息吹を感じることのできる素晴らしい OS ですが、一つ欠点があります。デフォルトのスクリーンセーバーがクソダサいことです。あと、日本語入力システムとかもいまいちだと思いますが、もっとも重大な欠点はデフォルトのスクリーンセーバーがクソダサいことです。

なので、ちょっとカッコよくしてみました。

macOS はジョブズの息吹を感じることのできる素晴らしい OS なので、環境設定のデスクトップとスクリーンセーバという画面から簡単にスクリーンセーバーをカスタマイズできます。

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さすが神 OS ですね。ちなみにいつもは Bootcamp で Windows 10 を入れて使っています。Windows 向けのタッチパッドドライバーも神にしてほしいです。

『オリエント世界はなぜ崩壊したか―異形化する「イスラム」と忘れられた「共存」の叡智』

読書 歴史

メソポタミア文明から現代まで。〈中東=オリエント〉が辿った長大な道を知った時、きっと気付くであろう、かの地の人々が争いの中に必ず和平の「叡智」を生み出していたことを――。いまだ止まないテロと戦争。複雑に絡み合う民族と宗教、領土と資源。人類に突き付けられた「最大の難題」を根源から理解するための歴史大河。

“なぜ”というタイトルなのに、ズバッと“なぜ”が明かされてない気がするけど、山川の『世界史』よりもちょっと深めのオリエント史を俯瞰したいときに便利かもしれない。

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ちなみにオリエントっていうのは、エジプト・小アジアの地中海東岸~インダス川ぐらいまでの地域かな。ヨーロッパから見て“東方”って言う意味。反対語はオクシデント、オチデントやね。

すんごいざっくり&テキトー説明すると、まずここで世界最古の文明であるメソポタミア文明、そしてエジプト文明が栄えた。それを統一したのが、世界最古の帝国の帝国とも言われるアッシリア。アッシリアは官僚制度と常備軍を備える先進的な国家だったが、広い領土を治めきれずに崩壊してしまう。その後、オリエントは分裂したが(新バビロニアのネブカドネザル二世が“バビロン捕囚”を行うのもこの頃)、東からやってきたアケメネス朝ペルシアが再び統一する。

アケメネス朝ペルシアは、ローマ帝国を凌ぐ版図を有した。その政治はおおむね寛大で、帝国の基礎を築いたキュロス二世がユダヤ人を“バビロン捕囚”から解き放ったことでも象徴されるように、帝国にはさまざまな民族と宗教が同居し(おかげでキュロス二世は“メシア”になった!)、商業が発展。硬貨の鋳造や貸金業も行われたという。これがオリエントの原型になる。

このアケメネス朝はアレクサンドロス大王によって倒されたが、ついでに本人もぶっ倒れてしまい、その後継者たち(ディアドコイ)がオリエントを分割した。おかげで風通しのよいオリエントの文明に、ギリシアの文化が持ち込まれることになる。オリエントの人たちは外来の文化を受け入れ、よく保存したので、ヨーロッパが中世の混乱でギリシャ・ローマ時代の知識を失ったあとも、オリエントから学ぶことができた。さしずめ“文化の冷凍保存庫”ってとこやな。もちろん、オリエントの人たちも固有・外来文化の育成に力を注いだのは言うまでもない。

さてさて。

ディアドコイたちはオリエントを分割したが、そこには唯一の例外があった。ペルシアの騎馬民族パルティアだ。パルティアはアケメネス朝の制度と伝統、ヘレニズム(ギリシア)臭のする文化を受け継ぐ。そして東は中国の漢とお付き合いして史書に名前を残し、西ではローマ帝国としのぎを削ってカエサルのマブダチ・クラッススをぶっ殺した。しかし、そうした抗争が長引いたことが国家の弱体化を招き、ササン朝ペルシアに征服されてしまう。ササン朝では再びペルシア文化が交流し、ホスロー一世の時代に最盛期を迎えた。ローマ帝国のあとを継いだビザンツ帝国からアンティオキアなどを奪って、小アジアをギリシアからオリエントへ組み込んだのもこの頃の話。でも、ササン朝も敵を作りすぎて、やがてイスラムの波に飲み込まれてしまう。

イスラム教は、アラビア半島で生まれた。この地域はビザンツ帝国とササン朝の抗争から外れており、この時代交易で割と潤っていたんだね。始祖のムハンマドも商業に携わっていたと言うし、商業に向いた宗教が生まれたのは自然なことかもしれない。

そもそも宗教というのは、氏族≒国家とは異なる次元で人々をつなげるために生まれた(ヒンドゥー教みたいな感じの体制に根付いたやつはちょっとアレだけど)。“(血筋や出自に関わらず)神の前では平等”ってやつやね。今でこそ僕たちはリベラリズム(理性に基づく自由の教え)の成果を満喫し、「宗教なんていらない」と軽々しく言っちゃうけれど、当時において、イスラム教はリベラリズムの最前線だったのだと思う。異邦人には親切にしろとか、貧しい人を助けろ、とかね。自分が6世紀のアラビアで生まれていたら、喜んでイスラム教に改宗したと思う。また、改宗まではしなくても、イスラムの支配を受け入れただろう。本来のイスラム国家では、異教の民も税金を追加で払うだけで信教の自由を保証された。

その後の歴史はだいぶ端折るけど、要するに、オリエントでは寛容が重要視されていた。寛容は商業を促進し、文化の交流を推し進める。戦争はまぁまぁあったけど、ジェノサイド的なことはあまり起こらなかった――ブリカスとフラカス、そしてアメカスが中東を騙して切り刻むまではね(ロシアも加えておこうかな?)。

オリエントの近代史は、東アジア以上に見るに堪えない。オリエントは大きな将棋盤で、ペルシア(イラン)、アラブ、トルコ、エジプトはプレイヤーのコマにすぎない。いつになったら彼らが自立して協力し、古代の寛容をルネッサンスさせられるようになるんだろうね。

最近買ったマンガ

読書 マンガ

『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』

かわいいと思います(迫真 まぁ、方言の女の子はどこの子でもかわいいよねー。あれ、なんでだろうねー。京都から東京へでてから初めて関西に帰ったとき、コンビニのお姉さんの関西弁がほんと暖かくて可愛らしくて、危うく恋に落ちそうになったの思い出すわ。東京があかんってわけじゃないけど、あっちのヒトって割りとハキハキしゃべるからね。まぁ、うちのオカン(江戸っ子)がそれなんだけど。父ちゃん(九州)とうまくいかないのも、実はそれなんじゃないか。

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愛媛バージョンも作ってほしいけど、伊予鉄の IC カードではこのネタができへんぞ……orz

Web でもタダで読めるっぽいので、気になるヒトは覗いてみてもいいんじゃないかな。

chancro.jp

『中間管理録トネガワ』

中間管理録トネガワ(1) (ヤングマガジンコミックス)

中間管理録トネガワ(1) (ヤングマガジンコミックス)

『カイジ』に登場する“利根川”の苦悩を描いた作品。Twitter でみかけてビール吹いてしまったので、カッなってまとめ買いした。後悔はしていない。そういえば『博多弁の……』もキッカケは Twitter だっけ。やっぱちみんなが面白いって話題にしてるときになっちゃうよな。その逆もあるけど……(個人的には『シン・ゴジラ』とか?)

あとこのマンガ、読んでる間ずっと『カイジ』の中のヒトが描いてるとばっかり思っていたんだけど、実はスピンオフなんだな? すげぇ、ちゃんと作者を確認するまで全然気づかなかったよ。もともとそういうことには鈍い方だけどさ……それだけクオリティが高い。ギャグなんだけど、本家と雰囲気が付かず離れずって感じで。

ちなみに『カイジ』は漫画喫茶で読んだだけで、持ってない。スピンオフの方だけ買ってるなんて、不敬っ!――悪魔的不敬っ!!

yanmaga.jp

『海の武士団 水軍と海賊のあいだ』

読書 歴史

海の武士団 水軍と海賊のあいだ (講談社選書メチエ)

海の武士団 水軍と海賊のあいだ (講談社選書メチエ)

前回、海賊関連の本を読むなら『戦国最強の水軍 村上一族のすべて』が便利だよねーって紹介した気がするけど、こっちを先に読むべきだな! とても面白かった。

daruyanagi.jp

一番よかったのは、かつての海のルールがおぼろげながらわかってきたことだね。

キーになるのは、「寄船」と呼ばれる慣習。

寄船(よりふね)とは、中世・近世の日本における遭難による漂流船・漂着船及びその搭載物のこと。これに対して漂流物一般を寄物(よりもの)と称した。更に漂流船を流船と呼んで、寄船を漂着船のみに限定する考え方もある。

日本では古代からそもそも船の遭難そのものを神罰として捉え、漂流船・漂着船は発見者・救出者によって略奪・捕獲の対象になると考えられてきた。慣習法では地元領主あるいは住民の所有物もしくは地域の共有物とされてきたが、しばしば権利を巡る争いを引き起こした。こうした争いを回避するために各種法令が出された他、寺社などに寄進して紛争防止と宗教的恩恵の両方を得ようとすることも行われ、博多に近い宗像大社は鎌倉時代の段階で過去数百年間の修理費用を寄船・寄物の寄進のみで賄ってきたという(寛喜3年4月5日官宣旨)。

寄船 - Wikipedia

要するに、「難破船(※ただし、本当に難破しているとは言っていない)は神さまのもの(という名目で、分け前をもらう)」ということだね。たぶん陸でも行き倒れのヒトはお寺が埋葬する代わりに、その所持品はお布施として自分の持ち物にしてしまうという風習があったと思うので、本来は別に海に限ったルールではないのだけど、これが“拡大解釈”されて、「荷物が濡れているから漂流物扱いな(^ω^)」「許可なく港に入ってきたんだけど、縄張りもわかんねー猿かよ。漂流物扱いってことにしとくわ(^ω^)」「ちょっと殴ったら死んじゃった>< 漂流物ということにしておこう」みたいなことになっていたらしい(誇大表現を含む)。古代・中世の寺社仏閣は公共事業のようなこともやっていて(行基、空海、時宗の聖なんかの集金力のあるおっさんがお金と人手を集めて、公共的なインフラ整備を行う例を思い起こそう)、「寄船」はその――たとえば港湾整備とか――原資になったんだな。まぁ、海賊側もそれを大義名分に「寄船」をいただいて、分け前にあずかっていたんだけど。

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そして、それらと微妙につながっているのだけど、海には「ローカル優先の法則」というべき慣習があった。ビジターは港湾インフラを整備しているローカル(地元)のいうことを聞かなければならない。そこから津料(港湾使用料)を徴収するルールなんかが派生していくのだけど、実際問題として、海は陸以上にローカル知識が必要とされる場所でもある。潮の満ち引きや海流、浅瀬の場所、そして海賊の出没スポット――そういった特殊知識へアクセスするためにも、津料のような陸で言う「関」のような仕組みが容認されたんだな。海の勢力の多くが分立しており、村上氏のように弱小世帯の寄り合いみたいな形態が主流になっていたのも、こうしたローカル知識の重要性がキーになっているのかも。

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ここからは個人的な解釈になるけど、海には陸とは異なるルールが存在していたけれど、本質的には両者にそれほど大きな差異はないような気がする。陸においても、権力と権力のはざまには権力に属さない者たちがときに“商人”として、ときに“盗賊”(勝手に関を設けて通行料をせしめるのも含む)として活動していた。その意味で、“商人”と“盗賊”は割と表裏一体なんだね。これはギリシャ・ローマにおける商業の神メルクリウス(マーキュリー)が盗人の神様でもあったことでもわかる。地中海貿易で栄えたイタリア都市国家も、時に応じて商人と海賊の顔を使い分けていた。筆者が“海賊大名”や“水軍”という言葉を避けたがっていたのも、この二面性をちゃんととらえたかったからじゃないかな。

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でも、地方権力の上に統一権力が構築されるようになると、盗賊の住処である“権力の隙間”が次第に埋められていく。商人と海賊、2つの顔をもっていた<海の勢力>は、海賊の顔を捨てざるを得なくなる。その結果、あるものは単なる海の専門家として権力の側に使役されるだけの存在になったり、あるものは武士という地位を捨て
商人として生きたりするようになった。

愛媛県では県民性を表すのに東予は「商売につぎ込み、倍に」
中予は「貯蓄して、利息を」
南予は「散財する」
というが、東予には<海の勢力>のなかでも商人気質の濃い者が、中予には武士(官僚、役人)の血が残ったのかもしれない、などとも想像したりした(南予は……まぁ、南方気質なんだろうな!)。

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