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だるろぐ

とてもだるだるした日記です http://about.daruyanagi.jp/

東京 → (サンライズ瀬戸) → 岡山 → 松山

鉄道 愛媛 松山 食べ物

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寝台列車は飛行機より高くつくけれど、繁忙期でも運賃が上がらない。つまり、お盆やお正月は相対的にお得になる(なお、それでも飛行機の方が安い模様)。――そんなわけで、今回は東京から松山への帰りにサンライズ瀬戸を使いました。

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1年9カ月ぶり2回目の乗車。

みどりの窓口で予約

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切符は JR 市川駅のみどりの窓口で予約した。前回は JR 松山駅で予約したせいか、割とすんなり切符が買えたのだけど、JR 市川では多少手間取った。まぁ、千葉から愛媛・松山にまで行く人はそんなに多くないだろうからね、仕方ないね。「(始発駅から)松山駅までの切符」をいきなり頼むのではなく、

  • (始発駅から)JR 松山駅までの乗車券
  • (始発駅から)JR 岡山駅までの寝台券・特急券
  • JR 岡山駅から JR 松山駅までの特急券

の3つを発券してくれと頼んだらすんなりいくと思う。

ちなみに、ダイヤはこんな感じになる。

サンライズ瀬戸・出雲 しおかぜ1号 いしづち1号
東京 22:00
岡山 06:27 07:23
高松 07:27 07:37
宇多津 07:59 (←連結)
松山 10:05

岡山駅で特急しおかぜ1号を1時間待つか、終点まで寝台でゴロゴロして高松駅から特急いしづち1号に乗るか(追加料金がかかる)か。どっちにしろ、松山駅の到着時刻は変わらない。前回はたまたま後者を楽しんだので、今回は前者を試してみた……けど、正直暇なので後者でもいいかもしれん。

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あと、たまたまこの日はサンライズ出雲(岡山までは瀬戸と同じ)が増発されていたので、そっちを選んでもよかったかもしれない。岡山着は 08:48 なので、どっちにしろ しおかぜ との接続は最悪だけど。

貧乏性なのでまたソロを買ってしまった

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等級は前回と同じソロを予約。あとでシングルにしとけばよかったなぁ、と思ったけど後の祭りですな。

ソロとシングルの違いは、

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  • 天井の高さ:シングルはダブルデッカーを上下構造に(天井185cm)、ソロはシングルデッカーを上下段構造に(天井145cm)にしている
  • モーター:ソロはシングルデッカー≒車両下にはモーターが配置されてる(騒音や振動があるかも)
  • 部屋の広さ:ベッドの幅は同じだが、足元はソロの方が狭い(シングル:60cm、ソロ:55cm)
  • 設備:シングルにはミニテーブルがあるみたい

ということのようだ(参照:寝台列車の館)。個人的にはソロで平気だけど、金額差は 1,000 円みたいなので、シングルの方がよさそう。

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ソロはどうしてもベッドに胡坐かいてごはんを食べる羽目になるので、テーブルがあるのはうれしいかも(今回は東京駅で購入した“秋田 比内地鶏のいいとこどり弁当”を食べた)。

シャワーった

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今回はシャワーも使ってみたよ。

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まずはシャワー室の近くにある“シャワーカード”というものを320円で購入。

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これが“シャワーカード”やな。ちなみにタオルなどの販売はないので、自分で用意しておくこと(むかしはあったのかな? 記念タオルがほしいヒトもいそうだし、今治タオルでも売ればいいのにと思った)。

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待つこと30分で順番が回ってきた。部屋は脱衣所+シャワー室からなっていて、脱衣所には風量が微妙なドライヤーまで完備されている。

使い方がいまいちわからないので、カードの差し込み口っぽいところにカードを突っ込んでみた……が、とくに反応はない。「もしかして変なところにカードを刺してしまったのか?(かなり奥まで刺しちゃったから抜けねーよ!!)」と一瞬焦ったけど、どうやら湯沸かし中のようで、“しばらくお待ちください”というメッセージが点灯されている。仕方がないので、すっぽんぽんのまま、ちんちん揺らして遊びながら待つ。

しばらくすると、なんかカードが回収されたっぽい音がする。“しばらくお待ちください”というメッセージも消えていた。どうやら湯沸かしが完了したらしい。

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というわけで、突撃。タオルの販売はないのに、シャンプーとボディソープは完備なんだな。

シャワーは6分間利用可能で、使い始めるとカウントダウンが始まる。小心者なので、残り時間が少なくなるとちょっと不安になってしまうぜ……。とはいえ、男の子なのでそれほどシャワーに時間はかからず、2分半ほど余してシャワー室を出た。髪の長い女の人なんかは、ちょっと時間が足りなくて大変だったりするのかもしれない。

最後に“洗浄ボタン”というのを押して、次のヒトと交代した。この“洗浄ボタン”が何をするのか気になったが、変にシャワー室を開けてえらいことになったりしたら困るのでやめておいた。たぶん、シャワー室をバババーッと洗って、また湯沸かしでもするんだろうな。

大都会・岡山駅に到着

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大阪あたりまで読書したり、外をぼーっと眺めたりしていたが、いつの間にか寝落ち。目が覚めると、大都会・岡山へ到着するというアナウンスが流れてきた。そそくさと荷物をまとめてホームに降り立つと、サンライズ瀬戸と出雲の解結を眺める人たちでごった返していた。

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自分は朝ご飯を確保。ほんとうはママカリ押し寿司とかタコ飯が食べたかったのだけど、残念ながら置いてなかった。

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ので、デミカツサンドを確保。

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これはなかなか美味しかった。万世のカツサンドっぽい雰囲気がある。さすが大都会だと思った。

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高知行きの特急・南風を見送ったりしながら、待つこと45分ほどでやっとこさ しおかぜ が入線。指定席に腰を落ち着けると、なんか急に安心して、眠気が襲ってくる。

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朝日を左手に見ながら瀬戸大橋を渡ったところまでは辛うじて覚えているのだけど、そのあとはガッツリ熟睡してしまったようで、気が付くと列車は松山駅に止まっていた。

さすがに12時間もかかるのは疲れるなー。松山まで寝台車で帰れたらいいのに!

『図解 ギリシア神話 歴史がおもしろいシリーズ』

神話 読書

図解 ギリシア神話 歴史がおもしろいシリーズ

図解 ギリシア神話 歴史がおもしろいシリーズ

前回読んだ本は図版が豊富だったけど少し物足りなかったので、密林を探索。ギリシア神話の本って玉石混交っぽくて、オンラインではなにを選んでいいかよくわかんないな。とはいえ、いきなりヘシオドスとか読んでも挫折しそう。――そう思っていた矢先に、これを見つけた。

買うときは内容薄そうだなーと思ってたんだけど、割とコンパクトにまとまっていて便利だと思った。あと、堅苦しい本にはない面白い切り口もある。

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たとえば、鍛冶の神・ヘパイストスが作ったアイテム集とか(笑

あとは、ゼウスの浮気相手一覧みたいなのもあった。それ以外にも、関連書籍がたくさん挙げられているのもいい。古典文学や絵画、音楽はもちろん、SF 小説、ハリウッド映画まで幅広く取り上げられてて、ちょっと感心した。

追伸

個人的にはどの部族がどんな神さまを奉じていて、どういう過程で現在のギリシア神話に統合されたのかなという点に興味があった。

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前回読んだ本だと、ミノア文明では海の神・ポセイドンが優勢だったけど、ギリシア(アカイア)人の南下とともにゼウスが浸透してきたみたい(うろ覚えだけど)。そういう話を聞くと、ティタン神族も古い民の神話なんじゃないかって想像したりするのだが……そこまでは触れられていなかった。

でも、エロスが当初は観念的な存在だったのが、古典期にはアプロディテに付きまとってる小さな天使みたいな感じになり、時代を追うにつれてキューピッドと同一視されていったみたいな話は載っていて、割と興味深い。“神話”が芸術を生み、芸術が“神話”を塗り替えていくみたいな。

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その点、中国の“死んだ神話”との対比で考えてみても面白い。

孤独のグルメ:スパイス王国

食べ物 松山

ずっとやるやる詐欺だったフィットネスクラブの契約を果たし(運動をしたとは言っていない)、妙な達成感で高揚していた私は、久しぶりに近所のカレー屋へ寄ってビールを一杯やることにした。

ウチの近所には CoCo 壱番屋とスパイス王国というカレー屋さんがあるが、個人的には後者が気に入っている。インド人――日本ではしばしばパキスタン人、バングラデシュ人、ネパール人などの総称として用いられ、本当はどこ出身なのか分からないことも少なくない――が経営していて、ちょっぴり本格的なカレーが楽しめる。インドのカレーが好きなんだよ、俺は!!

また、少し変わったメニューも楽しめるのもここの魅力だ。以前に食べた“焼きカレー”はなかなかよかった。今回は文庫本片手だったのでナンは避け、サラダと向こうの“焼きめし”を頼んだ。これなら本を読みながら食べられる。“焼きめし”の具はチキンとマトンが選べるが、今回は後者を選択。マトンのカレーが好きなんだよ、俺は!!

孤独のグルメあるある その一:量が読めない

気軽に頼んだサラダがファミリー向けで、草を大量摂取する羽目になった。トッピングのエビが美味しくて、料理を待つ間のビールのアテになったので致命傷ではなかったけれど。

これは注文のときに量を聞いておけば簡単に避けれる惨事なのだが、以前にも来たことがあるという安心が慢心を生んだ。また、店員のインド人さんなのもネックだ。簡単な会話が通じるものの(注文はメニューに振ってあるアルファベットベースで行った方がよい)、頼んだサラダの分量を聞いても伝わるかどうかよくわからない。

今回の失敗を糧にして、次回はもう少し賢い注文をすべきだろう。

孤独のグルメあるある その二:皿がかぶる

サラダをツマミにして待つこと5分から10分、焼きめしが来たのだけど――小さなサラダがついていた。大きなサラダに中身を移し替えるとあら不思議、今までつまんだ分がそのまま復活したではありませんか! これだったらサイドメニューはタンドリーチキンあたりにしておけばよかったな!

でも、おいしゅうございました。独りで食べ歩くのには慣れていたつもりだったけれど、まだまだ修行が足りんなぁ、と痛感させられた一日だった。

あと、領収書頼んだらお釣りもらい忘れたんだけど、50円程度だったのでそのままにしておいた。少ないけどチップということで。

『ギリシア文明―神話から都市国家へ』

読書 歴史

ギリシア文明―神話から都市国家へ (「知の再発見」双書)

ギリシア文明―神話から都市国家へ (「知の再発見」双書)

ヘロドトスの『歴史』を読む助けにと思って購入。このシリーズは図版が豊富でいいよねー。地図は2枚程度だったけど、ツボが抑えてあっていいんじゃないかなと思う。

感想がそれだけってのも寂しいので、ちょっとヘレニズムまでのギリシア世界をまとめてみた。

年代 西方 ギリシア 東方
BC6000年ごろ 農耕や牧畜といった新石器時代の技術がオリエントからもたらされる
BC3000年ごろ メソポタミア文明
BC2600年ごろ オリエントとの交流で青銅器文化を吸収(銅や錫はもっぱら輸入)
BC2600年ごろ 小アジアにトロイア文明
BC2000年ごろ 最初のギリシア人“アカイア人”(印欧語族)が北方より南下
クレタ島でミノア文明が栄える
BC1700年ごろ 地震と火山でミノア文明が崩壊 → 再建 ヒッタイト
BC16世紀 本土でミュケナイ文明が開花
BC15世紀 地震と本土ギリシア人の侵攻でミノア文明が崩壊
BC1200年中期 トロイア戦争
BC1200年ごろ 新しいギリシア人“ドーリア人”の南下。ミケーネ文明の崩壊 “海の民”
カルタゴ建国 暗黒時代(鉄器の登場、シェノイキスモス“集住”によるポリス建設)
BC8世紀ごろ ローマ建国 ホメロス『イーリアス』 アッシリア
ソロンの改革
BC550年 アケメネス朝ペルシア
クレイステネスの改革
BC401年 クセノポン『アナバシス』 クナクサの戦い
BC490年 マラトンの戦い ダレイオス
BC480年 テルモピュレイの戦い(スパルタ連合 vs ペルシア) クセルクセス
サラミスの海戦(アテナイ連合 vs ペルシア)
デロス同盟(盟主:アテナイ)
BC449年 カリアスの和約 (小アジア諸都市の開放)
デロス同盟でアテネが調子に乗る
BC431年 ペロポネソス戦争(アテナイ vs スパルタ) (スパルタに肩入れ)
BC404年 アテナイ降伏
スパルタの覇権 (スパルタ王アゲシラオスの小アジア遠征、ペルシアおこ)
(ペロポネソス同盟でのスパルタの横暴) (スパルタ王アゲシラオスの小アジア遠征、ペルシアおこ)
BC305年 コリントス戦争(スパルタ vs アテナイ・ペルシア) アルタクセルクセス2世
BC387年 大王の和約 (アテナイの回復を警戒したペルシアによる調停)
陸ではスパルタが優勢だが、アテナイも海戦で優位に立ち“アテナイ帝国”を回復
BC371年 レウクトラの戦い(スパルタ vs テーバイ)
テーバイの覇権
BC362年 マンティネイアの戦い(テーバイ vs アテナイ・スパルタ)
アテナイが優位に。マケドニアの勃興
BC338 カイロネイアの戦い(マケドニア vs アテナイ・テーバイ)
BC330 アレクサンドロスの東征 アケメネス朝の滅亡

東方との関係を押さえておかないと、割と分かりにくいんだねぇ。『アナバシス』の時代まではペルシア恐怖症だったのに、マラトンの戦い・サラミスの海戦で自信をつけてきて……にもかかわらず今度は内輪もめして、結局いい感じにペルシアの操り人形になっている感じある(直にチョッカイかけると火傷することを学習して、て、ペルシアがパワーバランス政策に移行したって感じ)。

Skype UWPプレビュー にさっさと会話ログの検索機能をつけてほしい

Skype Windows Insider

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メイン PC をクリーンアップしてデスクトップ版 Skype を起動したら、こんなメニューが表示された。「Skype UWP プレビュー」を使ってくれとの由。

実は Windows 10 Insider Preview をいれた Surface Pro 3 ではメイン PC との簡単なテキストのやり取りに「Skype UWP プレビュー」を常用しているのだけど、一つ、大きな不満がある。[Ctrl]+[F]キーで会話ログの検索ができないんだよ。ふぁっきゅー。

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直近の会話をちょろっと確認できればいいモバイルならともかく、スマートな方々が ChatOps とか言ってるこの時代に、デスクトップアプリで会話ログの検索もできないなんてウンコ of ウンコでしょう? 「Slack」みたいにコメントへ絵文字リアクションをつけられるようにとか、コルタナか[共有]コマンドかなんかで選択テキストをタスク登録できるようにしてくれとか、そういうのは会話ログがちゃんと扱えてからの話だ。ここ数年の「Skype」の進歩のなさには、どちらかというと Microsoft 贔屓なわしでも愛想が尽きそう(いつからかデスクトップアプリのバージョンアップを Windows 版だけ公式ブログで告知しなくなったのもどうかと思う)。

https://aka.ms/W1gogr

フィードバックを投げておいたので、もしよければ賛同してほしい。ちょうど日本時間で今日か明日あたりからバグバッシュをやるみたいなので、溜まっていた鬱憤をまとめて晴らしてこようかと思う。みんなも週末はフィードバックやりまくろうぜ!

追伸その 1

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個別フィードバックの Web 画面も作ってほしい。んで、「こんなこともできないの、Windows m9(^Д^)プギャー」とかはてブ付きまくって、フィードバックを盛り上げてほしい(炎上ともいう)。

今のフィードバックの仕組みでは、「フィードバック Hub」以外から他の人のフィードバックを知る手段に乏しすぎると思う。知らないものは、主観的に存在しえない。

追伸その 2

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コレクション機能が付いたのはうれしい。ちゃんと役に立つかまでは試せてないけれど。

追伸その 3

以前に“Windows Insider Meetup”というイベントに参加して、中のヒトのお話を聞けたのだけど、あれ、またやってくんないかな。あのとき、IME がらみのテキストでは表現するのが面倒な不具合を直接フィードバックしたら、そのあとちゃんと直っててうれしかった。

あと、ああいうイベントはフィードバックのモチベーションにもなると思う。日本人って(※主語が大きい)、「あ、ほかの人も困ってたんだ」って思わないとアクション起こさないところあるじゃん? 「自分だけかもしれないから、我慢しておけばいいや」みたいなメンタリティ(炎上しないと自分からは動かないとも言う)。直に集まってワイワイやれば、そういう引っ込み思案が少なくなって、もう少しフィードバックの機運が高まる気もする。

追伸その 4

そのときに聞いた話なのだけど、やっぱり日本はフィードバックの数が少ないみたい(フィードバックの採用率ではほかの国と差はないようだ)。

これはさっき挙げたメンタリティの問題も多少あると思うけれど、基本的に余暇が少ないのが最大の原因だと思う。社畜なのにフィードバック投げるの、おでさんぐらいやろ。日本の労働環境はあらゆるところに負の遺産を建立しまくっているので、早くなんとかすべき。

追伸その 5

変な文字化けが実は“プレースホルダ”(あとで直すっていう目印)だって知ったの、その“Windows Insider Meetup”でだった。ドヤ顔で「ローカライズミス残ってやんの m9(^Д^)プギャー」してたオレ、恥ずかしい。

『中国の神話』

読書 歴史

中国の神話 (中公文庫BIBLIO)

中国の神話 (中公文庫BIBLIO)

もっと早く読んでればよかったなぁ、と思った。春秋戦国時代あたりまでの歴史に触れるときは、神話の世界もちゃんと押さえておくべきだね。理解が格段に違うと思った。

この本は中国の神話にあるエピソードを紹介する本ではない。エピソードの成り立ちや関係を分析して、その本来の姿、ひいては古代中国の諸民族の関係を考古学的な成果も交えながら炙り出していこうという本だ。そして、なぜ中国の神話は“消えた”のかが解き明かされる。

まぁ、そういう話は実際に読めばわかると思うので、自分は脳みそを整理する作業に集中しようと思う。

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中国の歴史というのは割とリクツっぽい*1。世界は方形になっていて、それを柱が支えている。まぁ、テーブルみたいになってると想像していいかもしれない。しかしある日、この柱の一本(不周山)を共工という神さまがファッキューアタックをかましてへし折ってしまう。祝融という神さまに負けた腹いせらしい。

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おかげで、中国大陸は東に傾き、東海と崑崙の山ができた(たぶん)。中国の主要な川が東流するのも、これが原因だという。

まぁ、そんな話はどうでもよくて。実はこの共工という神さま、いろんな時代にあらわれてことごとく負けてるんだよね。

  • 祝融とケンカをして負ける。中国テーブルを支える脚に頭突きをかましてへし折る
  • 最初は“帝”として天下を収めていたが、政治に失敗して伏羲女媧という神さまに追い出される(『国語』)
  • 五帝の顓頊と帝の地位を争い敗れる。またテーブルの脚に頭突きを食らわせる(『楚辞』天問)
  • 堯の時代、幽州で処刑される
  • 舜の時代に洪水を起こして、幽州へ追放される(『淮南子』)
  • 禹(夏王朝の始祖)の時代にもやらかす

なんでこう時系列もなにもない、わけのわからないことになってしまっているのか。

氏によると、共工は羌族の神さまなのだという。羌族は西戎に属し、牧畜を生業とするおとなしい人たちだった。そのせいか殷(商)王朝によくつかまって生贄にされていたらしい。当時の甲骨文には「羌百を改せんか」などのテキストがよく見られるが、これは神さまに「生贄は羌族百人でええやろか?」ということ。殷の紂王は祭祀にとくに熱心な帝王だったらしいが、熱心すぎて羌族の怒りを買い、周による武力革命を招いた。有名な太公望は羌族で重要なポジションにあった人らしくて、それが周に手を貸したのが決定的になったらしい。

でも、羌族がわりと“負けっぱなし”であることは神話にも反映されている*2。最初に喧嘩をした祝融はよく知らんけど*3、その次の、伏羲・女媧は南の方に住んでいた*4苗族の神さまだったらしい。禹は夏王朝の始祖で北狄、そのあとの殷王朝は東夷の特徴をよく残しているという。

つまり、時系列に並べられている神話は、もともと同時代(それもえらく長く続いた同時代)に行われた諸民族の抗争を無理やり順序立てたものらしい。民族の移動もあるから*5、もう何が何だかわからんことになってる。共工が西戎・羌の神なのに幽州に追い払われるのも、そういう混乱を反映しているのかも*6。また、王朝が失われても民族は失われず、狄などは文公・重耳の時代に晋と結びついて強大になるケースも見られる。有窮などは孤立してほろんだ部族みたいで、羿の神話はちゅうぶらりんになってたりするのも面白い*7

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春秋時代の姓(『潛夫論』などから適当)

  • 神農氏(姜族?)
    • 姜:斉、申、呂、許、紀、申
  • 伏羲氏(苗族?)
    • 風:任、宿、須朐、顓臾
  • 祝融氏
    • 羋:楚、夔、越
    • 妘:鄢、會、路、偪陽
    • 曹:邾
    • 董:
  • 夏王朝
    • 媯:陳
    • 姒:夏、杞、鄫、譚
  • 殷王朝
    • 子:宋
  • 軒轅氏(周王朝)
    • 姫:周、魯、衛
  • 皋陶
    • 羸:秦、趙

日本の場合は、ヤマト王権が統一した時点で神話の統合が図られたけど、中国の場合は周王朝がわりとリクツ(≒礼楽)で治めるタイプだった(孔子がさけた“怪力乱神”っていうのは諸民族のまだ観念化されていない生身の祭神なのかもね)のと、協力氏族を各地に封じて連合する政体であったこと*8、西戎の攻撃を受けて実質的な王権を喪失したことなどから、十分な統合が果たされなかった。神話と文化が切り離され、(諸子百家なんかによって)経典として整理されて書き残された「死んだ神話」になってしまったのはそういうことみたいだね。

西の秦がメソポタミア・ペルシアとつながっていて、占星術(→陰陽五行説などに影響)などの先進文化を吸収していたんじゃないかという話とかも割と面白かった。

*1:なぜかというと、周王朝以降の時代に再解釈されたかららしい。十二国記はいい感じにそれをファンタジーにしてると思う

*2:許由、伯夷などの隠者もよく生んでいる

*3:のちの楚の祖先だけど、中国の神話では再構成の際に後代のことを空きスペースのある古い時代に挿入してしまうことがよく行われたらしい:加上説

*4:まぁ、いわゆる南蛮やね

*5:苗族はモンゴロイド系で、北からやってきて南に住み着いたっぽい

*6:太公望の国は結局、東の山東に建てられたし

*7:彼は弓がうまい。太陽を射落とす話とかは好き

*8:封建。味方氏族から神話を奪うわけにはいかんから、神話統一の動機が薄かったろう