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だるろぐ

とてもだるだるした日記です http://about.daruyanagi.jp/

お知らせ

質が低下しているのはだれ?

御厨:(政治の)質が低下しているのは、政治家の方ばかりではない。マスコミの報道のほうにも問題があるのでは、ということですね。原因は、実はとてもはっきりしています。

池上:といいますと?

御厨:テレビで政治家のぶらさがり会見をご覧下さい。大臣の周りで質問したり、ICレコーダーを向けたり、メモを取っている記者をみれば、一目瞭然。日本の政治記者は20代から30代前半の若手が大半なのです。30代後半以降のベテランになるにつれ、日本の記者制度では、デスクになって現場には出てこなくなる。若手記者の原稿をチェックするほうが仕事になってしまうんですね。

池上:確かに日本の政治担当記者は若いです。米国の大統領記者会見で、大統領に向かって質問をしている記者は、白髪頭か禿頭が大半(笑)。超のつくベテラン記者ばかりですよね。ビル・クリントンバラク・オバマのような40代の大統領はもちろん、50代後半のジョージ・W・ブッシュよりも年上で米国政治の変遷について生き字引のような記者がごろごろしている。

御厨:日本の政治記者と米国の政治記者とでは親子ほどの年の差がある。その差がそのまま政治ジャーナリストとしての経験値の差でもある。正確にいえば経験不足ということが大きいと思います。

マスコミが「政治報道」できなくなった理由:日経ビジネスオンライン

日本の政治記者が若いのは今に始まったことじゃない。このあとに池上氏が「たしかに以前からありました」と肯定するように *1 。にも関わらず、御厨氏は「実はとてもはっきりしているんですよ。若い奴がやってるからです」と斜め上の回答をしてドヤ顔してしまう。池上氏もツッコミを入れない。

僕は、そこにこそ質の低下を感じる。

でも、これだけだったら揚げ足取りに過ぎないので、自分でも少し考えてみよう。原因の一つは、池上氏と御厨氏もあとで触れているように、デスクの質の低下だ。

御厨:それは、民主党政権になって、政治のプロセスが、さまざまな側面で、密室からオープンに、という方向に変わろうとしているのに、マスコミ報道のほうが、自民党時代に行われていた古い「密室政治」を追いかけるスタイルから抜け出ていない、という点です。

池上:政治手法そのものが変わろうとしているのに、記者の取材方法がその変化に追いついていないわけですね。なぜでしょう?

御厨:現場の若手記者を本社から指示するデスクたちの世代的な問題が大きいのだと思います。彼らが若手記者として現場取材をしていたのは、自民党政権時代。だからどうしても自民党政治に対する取材のやり方を踏襲しがちです。このため、民主党の政治に関する動きも、自民党時代の取材方法で対応としようとする人たちが少なくない。

池上:さきほどは現場記者が若すぎることが問題でしたが、今度は、現場を離れたデスク世代が今の政治の変化に対応できていないことが問題になっている――。

御厨:ええ。そうなると、新聞が報道する政治記事が、必ずしも政治の現場の空気を反映していない、ということが起きてしまいます。自民党政権時代に比べて、民主党政権では情報が取りにくくなっているのに、以前と変わらない取材をしようとするから、余計に記事と政治の現場に乖離が生まれてしまう。

記者が若いのは昔から変わらないのだから、本質的にはこちらのほうが問題だろう。こんなデスクの下で、若く有望な部下の才能や努力がどれだけ浪費されているのだろうと思うと、だいぶ切なくなる。

もう一つには、政治問題の多様化というのが挙げられる気がする。たとえば、電波オークションの問題や国会でのウイルス感染 *2 でもいいのだけど、深く斬り込むには多少の専門知識が必要な問題を政治家が扱うことが多くなった。むろん、政治記者も電波やIT技術にある程度精通していないとダメなのだろうけど、多分おそらくそうではない。また、パソコンに代表されるように、取材の道具自体が多様化して、より多くの情報を処理できるようになっている。けれど、それを本当に使いこなせているのか? 高品質のレコーダーで取材しているのにもかかわらず「言った」だの「言わない」だのという話になるのか? うまく使えば、これほど便利なものもないのに。

それにも関わらず、御厨氏の提言が「記者会見中はパソコンを取り上げろ」なのが滑稽を通り越してコントになっていると思う。

復興構想会議の議長代理で、私も記者会見を何度かこなしたのですが、こちらが喋り始めると、記者席の記者たちがみんな一斉にパタパタと打ち込み始めるんです。こちらを見ている記者はまったくいない。…

いっそのこと1人速記者を用意して、速記データは全社で共有する。記者は登壇者の話を聞くことに集中しろ、そして的確な質問をしろ、と言いたいですね。…

政治家は、「伝えたいことが伝わっていない」と不満を持つだろうし、マスコミ側は、「いやいや言ったことは全部正確に書いています」となる。不幸なディスコミュニケーションが起きているわけです。

まぁ、ほんとに言いたいのはこういうことで、ほんとにパソコンを捨てろというわけではないだろうけど。けど、膝の上にパソコンがあれば統計データや過去の発言、背景理論に関する知識なども簡単に手に入るのだから、僕だったらこう言いますね。

「記者会見中にワープロ打つのやめろ。ちゃんと"パソコン"を使え」

マスコミっていうのは情報を扱うスペシャリストのはずなのに、パソコンも使えないだなんて……あり得ないですよね!