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だるろぐ

とてもだるだるした日記です http://about.daruyanagi.jp/

お知らせ

『伊号潜水艦ものがたり―ドンガメ野郎の深海戦記』

読書

伊号潜水艦ものがたり―ドンガメ野郎の深海戦記 (光人社NF文庫)

伊号潜水艦ものがたり―ドンガメ野郎の深海戦記 (光人社NF文庫)

伊169」の最期と、戦後に苦労の末実現された乗組員の遺骨収集事業の話を基調に、伊号潜水艦に関するウンチクやエピソードを挟んでいくというスタイル。イラスト入りでわりかし読みやすい。

トラック泊地が空襲を受けた際、「伊169」は敵機の攻撃をやり過ごそうと艦長不在のまま急速潜航しようとしたが途中で事故を起こし*1、40メートルの海底へと沈んだ。一時は全滅かとも思われたが、潜水夫と艦内との間でハンマーによるモールス信号のやりとりができたことから、艦内に生存者がいることが判明。懸命な艦の引き上げと乗員の救助が図られた。しかし、度重なる敵の空襲により作業はしばしば中断、やむなく救助は断念され、最後は機密保持のため爆破される*2。遺骨が収集されたのは、実に戦後30年経ってのちだった。

「伊169」の様子は、YouTube で観ることもできる。

本書はところどころ湿っぽいけれど(ちょっとジワッときた)、艦長から平乗組員まで「一蓮托生」という潜水艦特有のアットホームな雰囲気に助けられているのか*3、陰惨というほどはない。「潜水艦ではどうやってウンコするのか」「メシはどうするのか」といった話は純粋に面白いしね。自分ならちょっとキツいなぁ、この生活は!

P.S.

板倉光馬 - Wikipedia という人が面白そうなので、あゝ伊号潜水艦―海に生きた強者の青春記録 (光人社NF文庫) も読んでみようと思う。

*1:後部荒天通風筒の弁が開放された状態であったためと言われているが、それだけで5分という短い時間(当時の状況と乗組員の止まった腕時計から推測)で沈むかという疑問は残されており、詳細は不明

*2:実際には完全に爆破されなかったらしいということが本書の最後の方で述べられている

*3:海軍は割りとシゴキがきつかったらしく、痛ましいエピソードには事欠かない